コラム
生まれた時からアトピー性皮膚炎を予防する
私達アレルギー医は、生まれてくるお子さんがアレルギーにならないよう色々なことをしています。
その中の一つが生後7日以内からスキンケアを行うことで、アトピー性皮膚炎を予防すること。
ここでゆうスキンケアは保湿剤を全身に塗るだけ。
アトピ―性皮膚炎とは、「痒みのある湿疹が、慢性的に増悪・寛解を繰返す疾患」とされています。
つまり、治療していないと「ずっと痒いのが、良くなったり悪くなったりを繰り返す」こと。
アトピー性皮膚炎は治療を中断する、上手くいっていないとどんどん悪くなっていきます。
アトピー性皮膚炎は良くなるからと言われた方もいるかも。
では、年齢が経つと良くなるのでしょうか?
乳児アトピー性皮膚炎は生後2~3ヶ月頃までに発症し、8ヶ月頃までは加速度的に悪化し、10ヶ月頃には軽快傾向になる
片岡葉子. 日皮会誌:124(13), 2498-2500.
よくなりそうですね。
2歳までに発症した患者で、7歳までに寛解するのは1/3で、2/3は症状が継続する
片岡葉子. 日皮会誌:124(13), 2014
あれ?自然にはよくならない?
アメリカでは、 20歳以前に6ヵ月間無症状または無治療期間を1回以上有した患者の割合は50%いない
Jacob S et.al. JAMA dermatology,2014
自然には治らないのでは?
治る人もいるかもしれませんが、何もしていなければ治らなそうです。
なにもせずに様子を見るのは最悪の選択のようです。
次回はアトピー性皮膚炎は皮膚だけの問題なのかを考えてみたいと思います。