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卵アレルギー 大人の場合

卵アレルギー 大人の場合

採血では大丈夫なはずなのに、食べるとお腹が痛くなったり、逆に、食物アレルギーだと言われたものを食べてもなんともない、もしくは、医師にそんなアレルギー聞いたことないと言われ、どうしたら良いのか悩んでいませんか?

実は、食物アレルギーの採血は、年齢、食べ物、症状、合併するアレルギーによって、見るべきポイントと対応が全く違ってくるので、幅広い経験と知識が必要です。

1)卵アレルギーは、大人もなります

卵、牛乳などは基本的に子どものアレルギーで、乳児期を過ぎてなる食物アレルギーではありません。

一方、卵アレルギーは、珍しいですが大人でもなります。

2)気のせい?

多くの方は、成人で卵アレルギーが起きてくるとは思っていないので、気のせいだと思われる方は多く、数年経過してから受診する方が多いです。

大人の卵アレルギーの症状は、基本的に「口唇腫脹」と「目の周囲の腫脹」です。

これ以外の症状はあまりなく、大人の世界中で同様の傾向にあります。

症状が軽く、発症初期は「疲れた時」や「たまに」しか症状がでないために、気のせいかと思われている方が多いです。

このため、病院に受診するのも平均3年ほど経過してからのことが多いです。

3)子どもとの違い

症状が違います。

成人の場合、小児と違い軽症で済むことが多く、アナフィラキシーを起こすことはありません。

また、卵の含有製品でも症状を起こしてくる小児と違い、卵そのものを食べることでしか症状はおきません。

スクランブルエッグなど、半熟でないと症状がでない方も多いです。

次に、小児よりもさらに採血があてになりません。ほとんどの場合が採血は反応もしないので意味はなし。症状で診断するしかないのです。

HIVなどの特別な事情が無い限りは、大人の卵アレルギーは40代で起きてくることが多いです。が、症状が軽いため、正確にはいつからなのか、わからないことが多いです。

4)他の病気を併発していることも

卵アレルギーだけではありませんが、大人の場合、急に新しアレルギーが出てきた時には注意をしています。

これまで、落ち着いていた喘息が急に落ち着かなくなった、薬物アレルギーになった、食物アレルギーを次々起こすようになった・・・・。

このような場合、注意しなければならないことは、何かの病気が隠れており、免疫が落ちている場合です。

私はこれまで、突然アレルギーを次々に起こすようになった時に、胃がん、乳がん、血液のガン(悪性リンパ腫)、膠原病などが隠れていた方々を診てきました。私のクライアントは女性がほとんどなので、40~70代の女性です。

病気は初期のことが多いですが、膠原病などは発症する数年前から落ち着かないアレルギーが先行していた方もおりました。ちなみに、HIVで薬物アレルギーを起こしやすいことは有名ですが、卵アレルギーを起こした方の報告もあります⑩)。

全身の病気が隠れている方のアレルギーの特徴は、とにかくアレルギー症状が落ち着かないこと。

成人でも、次々にアレルギーを起こすアレルギーマーチになることは普通ですが、経験的に食物アレルギーから始まります。

一方で、全身の隠れた疾患がある方は、これまでのアレルギーが突然悪化するか、薬物アレルギーから始まります。食物アレルギーも起こしてきますが、いくつかのアレルギーの後であることが多いです。

5)だから、これが必要です

①経過をみても治らない

気のせいではないので、様子をみても良くはなりません。

②食べなければ症状は出ない

食べなければ症状は出ませんが、そもそも食べる気にならないようです。

③ガン検診は毎年受けよう

これまでの乳がんの方は全員が初期で見つかっています。

参考文献

  1. Jarkko Mäntylä, etal. Immunity, Inflammation and Disease. 6: 2; 2018. First published: 15 March 2018
  2. 成田雅美. 日小ア誌. 34: 391-399, 2020.
  3. 伊藤浩明監修. おいしく治す食物アレルギー攻略法
  4. 内田理、菅井和子. 鶏卵アレルギー. 小児食物アレルギー診療 UP DATE. 小児科4月臨時増刊号 2014.
  5. 大谷清考. 鶏卵アレルギー. 症例を通して学ぶ 年代別食物アレルギーのすべて. 南山堂.
  6. 伊藤節子. 抗原量に基づいて「食べること」を目指す乳幼児の食物アレルギー. 診断と治療社
  7. 伊藤節子. 食物アレルギー児のための食事と治療用レシピ. 診断と治療社
  8. 海老澤元宏監修、今井考成、高松伸枝、林典子編集. 食物アレルギーの栄養指導. 医歯薬出版株式会社
  9. J. J. Prochnau, etal. New-on set Egg Allergy as Result of Immune Reconstitution in an HIV Positive patient.
  10. G. Marco, etal. Milk And Egg Allergy In Adulthood. J ALLERGY CLIN IMMUNOL. 2012.
  11. H. Philpott, etal. Allergy tests do not predict food triggers in adult patients with eosinophilic oesophagitis. A comprehensive prospective study using five modalities. Alimentary Pharmacology &
記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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