アトピー性皮膚炎の治し方
札幌市南区のアレルギー科・小児科(アレルギー)のアルバアレルギークリニックです。
1)体の中の問題
アトピー性皮膚炎は、体の中の問題。
つまり、アレルギー体質が表現の形として皮膚に出ているイメージです。
この表現の形が、卵に来れば卵アレルギーになるし、花粉にくれば花粉症になります。
なので、一つだけのアレルギーのこともあれば、たくさん持っていることもあります。
一方で、アトピー性皮膚炎の治療が遅れれば遅れるほど、アレルギー体質に傾いていきます。
ここでのポイントは、一つのアレルギーが治って次のアレルギーになるわけではなく、これ+これ、+これ、とゆうように次から次に増えていきます。
これはアレルギーマーチと呼ばれています。
このすべての始まりのアレルギーが、アトピー性皮膚炎で、治療が長引けば長引くほど、アレルギーが増えるリスクが高まります。
また、子どもの時にアレルギーが増えなくても、このアレルギー体質は早く治療しないと残ります。
大人になってから急にアレルギーが増え始めることも普通に多いです。
一度アレルギーになってしまうと、自然にはな治らないことがほとんどです。
アレルギーは体の中の問題なので、すべてがつながっています。
このため、持っているアレルギーを一気に治療することが必要です。
例えば、ダニアレルギーは、アレルギー体質に傾ける力がものすごく強く、アレルギー性鼻炎や気管支喘息を引き起こします。
空気の通り道を壊す力が強いので、花粉症も引き起こします。
アトピー性皮膚炎で言えば、冬のアトピー性皮膚炎の悪化に直結しています。
いくら肌だけ治療してよくなっても、ダニアレルギーの治療をしなければ、「冬になったらまた荒れてきた」を繰り返します。
2)アトピーはルールで決まる
アトピー性皮膚炎は、「アトピーっぽい」とか「見た目」ではなく、「アトピー性皮膚炎のルール」を満たしているかどうかで決まります。
そのルールが、「かゆみのある湿疹を繰り返しているかどうか」です。
かゆみのある湿疹とは、「赤くなる」、「小さいブツブツができる」、「肌がカサカサになる」、「皮膚が厚くなる」、「かさぶた(痒いので掻くので傷ができる)」などです。
繰り返しているとは、1歳未満であれば2ヶ月以上、1歳以上であれば6ヶ月以上、まだましになたりわるくなったりを繰り返していることを言います。
このルールを満たしていれば、アトピー性皮膚炎とゆうことになります。
3)3~5日で、症状をゼロにする
アトピー性皮膚炎の治療は、出来るだけ早く症状をゼロにして、その状態を3週間~1ヶ月つづけます。
実は、ここがスタート地点です。
アトピー性皮膚炎の治療は、かゆいときだけ薬を塗ったり、延々と薬を塗り続けるのが治療ではありません。
全く症状が何もない、この状態を維持しながら半年から1年以上かけて徐々に薬を減らし、3~4年かけて最終的には保湿剤だけで症状がない、また保湿剤からの卒業も目指していくのがアトピー性皮膚炎の治療です。
なので、あなたにあった薬は、「3~5日で症状がゼロ」になる薬です(アトピー性皮膚炎ガイドライン2018より)。
もちろん、アトピー性皮膚炎の強さによって、「3~5日で症状がゼロ」にするために、いろいろなことをしないといけない場合もあります。
アトピー性皮膚炎の薬が強いか弱いかは、その人の湿疹に対して強いか弱いかで決まります。
つまり、一般的な強さで薬を決めると、あなたには合っていないので良くはならないとゆうことです。
4)肌を回復させる保湿
肌を回復させるために必要なのは保湿です。
通常処方される保湿は、アトピー性皮膚炎治療のため油分が強く設定されてお、非常に良い薬です。
しかし、肌を回復させるセラミドが入っていません。
このため、当院では肌を回復させるためだけに保湿剤を開発して、それを使って治療してもらっています。
しかし、その人の肌によって、油分が必要な時期、水分が必要な時期、肌を回復させる時期などは違います。これは、治療の段階においてこちらで必要なものを選びます。
5)うまくいく3本柱
①スキンケア
数万人の患者さんを見ていて、これじゃなければよくならないとゆうスキンケア方法があります。
②肌を回復させる保湿
肌を回復させる保湿が重要ですが、薬を減らすためには、症状をゼロにする必要があります。
③全部のアレルギーを治療する
体の中の問題なので、肌だけに焦点を当てて治療しても実はうまくいきません。
【参考文献】
馬場実. アレルギー・免疫 2004: 11: 734-747.
下條直樹. 薬局. 64(3):P27-31. 2013
Jacob S et.al. JAMA dermatology. 2014.
アトピー性皮膚炎ガイドライン2018.