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基本:軟膏を塗る量

基本:軟膏を塗る量

これまで、年間のべ7000人の方を診察してきましたが、アトピー性皮膚炎が良くならない方は、「薬の選び方と塗り方」が間違えていたからです。

良くならない方は、一般的な強い弱いで決めた薬を悪い時だけ塗る。もしくは最初から自然の力を信じて薬を使わない。薄く塗る。しかし、これだと基本的に悪い状態がさらに悪くなったときだけ薬を使う羽目になるので、どこの病院に行っても同じ事の繰り返しです。

1.薬の選び方

アトピー性皮膚炎は治療していれば、「症状がゼロ、もしくは症状がほとんどない」が正しい状態です1)

薬の強さは「その人の症状に対して、強いのか弱いのか」で決まります。

一般的な薬の強さで、決めると失敗します。

失敗するとは「症状がゼロにならない」とゆうこと。

薬の強さは「3~5日で症状が無くなる強さ」があなたにあった強さです。

なので、もし「弱いステロイドを出しておきましたらから」と言われたら、そこのクリニックが「弱い薬を出してくれ」という人がものすごく多いか、「弱いのをくれ」と言いそうだと思われたとゆうことです。

2.心配だから薬を薄く塗る、じつは最悪の選択

多くの方が、間違えて刷り込まれてしまった副作用を心配されてのことです。

アトピー性皮膚炎は、段階を追って徐々に薬を減量していく「プロアクティブ療法」です。

つまり、未だに信じられている「ステロイドはやめられない。ずっと塗らなくてはいけない」は大きな間違い。

ステロイドは保湿だけに移行していくための前処置です。

しかし、アトピー性皮膚炎の場合には、肌のバリアーが壊れてぼこぼこの状態です。このため、軟膏を薄く塗ると谷の部分にしか入らないので、延々と塗らなければいけないわりに良くなりません。たいして良くならないので延々と塗らなければならないので、薄くぬると逆に薬をやめることが出来ません。

これが今の状態です。

良かれと思ってのことですが、残念ながら逆の結果。塗る量が少ないと、良いことはありません。

あなたのゴールは「症状がないままに、薬も必要ない」状態です。

このゴールを設定するのであれば、そこに行くまでの治療をデザインしないといけません。

受験勉強で、中学や大学にいくために勉強方法をデザインするのと同じです。

3.塗る量はティッシュがくっついて落ちないくらい

実は、ステロイドや保湿などの軟膏類は塗る量が決まっています。一般的には、FTU(Finger Tip Unit)といわれ、チューブの軟膏を人差し指の第一関節まで出し、手のひら2枚分塗る量を指します。

しかし、これ言われてもまずパッと入ってきませんし、子どもや毎日のケアでこれをいちいち計測するのは不可能。スキンケアは毎日継続できる方法をデザインする必要があり、毎回同じ量を塗る再現性がありません。

そこで、簡単な方法として「ティッシュがくっついて落ちないくらいの量」を塗りましょう。

 

皆さんが普段塗っている量よりも、はるかに多い量です。が、これがゴール達成のための適正な量です。

軟膏の量を変えるだけでも、症状がなくなります。

まとめて知りたい方はこちら

【参考文献】

1)アトピー性皮膚炎ガイドライン2018

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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