果物・野菜アレルギー
1)果物・野菜アレルギーは年齢と症状が決まってる
3歳でバナナアレルギーは無いです。乳児のリンゴアレルギーもありません。
野菜アレルギーは基本的に30歳以上ですが、最近ではトマトがだめになる小学生もたまにいます。
私の妹はフランスに住んで7年目くらい、40歳を過ぎてからほぼすべての野菜がアレルギーで食べられなくなりました。
つまり、果物・野菜アレルギーは、種類によって発症する年齢が大体決まっています。
- 乳児期:バナナ、キウイ、大豆、ジャガイモ(いまどき珍しい)
- 1歳~5歳:キウイ
- 5歳以上:リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、イチゴ、メロン、スイカなど
- 7歳以上:上記に加えて柿、トマト、ジャガイモ、ネギなど
- 30歳以上:上記に加えて大豆、トマト、バナナあたり
- 比較的高齢:ニンジン、セリ、キャベツ、サツマイモ、ダイコンなど
一方で、アレルギー症状は、種類によって大体決まっています。
バナナは腹部に湿疹として出て、キウイは唇が腫れるなど顔面に出ることが多いです。
成人で、皆さんがあまり聞きなれないアレルギーは、色んな症状がでます。
例えば、ニンジンで鼻出血、トウガラシで全身湿疹や呼吸苦などですが、聞きなれない果物・野菜ほど症状が強くでます。
人によってバラバラなので、「聞いたことがない」と言われても、慣れている医者でなければ判断が難しい場合も多いです。
また、皆さんがイメージするバラ科の果物は、口や喉が痒いだけだと思われていますが、80%くらいはそうです。
しかし、20%くらいの人は呼吸苦や腹痛が出て、救急車で搬送されます。
アナフィラキシーとゆうやつです。
つまり、口が痒い以外の症状がある方や聞きなれない果物・野菜のアレルギーは危ないとゆうことです。
2)順位別の果物・野菜
すべての果物、野菜がアレルギーの原因となります。
逆に、医師に「聞いたことがない」と言われても、気にしないで。
私は花粉学会で役職についていますが(つまり、お偉いさんだよ)、その私でも珍しいと思うアレルギーかもしれません。
一般の先生が知らないのは無理ないです。
果物>野菜でアレルギーになりやすいですが、一般的によく食べる果物がアレルギーになります。
つまり、リンゴ、モモ、ナシ、サクランボなどです。
以前は、北海道ではトマトアレルギーの子は非常に少なったですが、最近は大人も子どもも急激に増えている印象です。
成人の場合には、クミンやコリアンダーなどのスパイスも原因になります。
私個人の経験的には、トウガラシも含めて、スパイスアレルギーはアナフィラキシーを起こしやすいです。
果物
多い順 | 小児 | 成人 |
---|---|---|
1 | リンゴ | リンゴ |
2 | モモ | モモ |
3 | キウイ、メロン | サクランボ |
4 | ナシ | メロン |
5 | サクランボ | キウイ |
6 | パイン | ナシ |
7 | バナナ | トマト |
8 | プラム、イチゴ、スイカ | プラム |
9 | ミカン | イチゴ |
10 | カキ | スイカ |
野菜
多い順 | 小児 | 成人 |
---|---|---|
1 | トマト | トマト |
2 | キュウリ | 大豆 |
3 | 大豆、ジャガイモ | ナス |
4 | ナス、アボカド、セロリ、長いも、長ネギ | アボカド |
5 | 山芋、ニンジン、里芋、キャベツ、ごぼう、サツマイモ、玉ねぎ、ほうれん草、ニンニク、ズッキーニ、アスパラ、ショウガ | ジャガイモ |
3)北海道では、花粉症と関係してる
花粉症に関係していない場合は、ほとんどが乳児でバナナかキウイです。
どちらも、最近は珍しいです。
北海道では、1歳を過ぎると果物・野菜アレルギーが発症する期間はいったん過ぎて、5歳くらいまでは起こしにくいです。
一方、花粉症に関連する場合には花粉症になってから発症するため、北海道でのメインのシラカバの花粉症になるのは早くても5歳くらいからです。
シラカバと関係しているのはバラ科の果物で、果物アレルギーになるのもバラ科のメジャーなリンゴ、モモ、ナシ、サクランボがメインです。
イチゴも最近の子では増えてますが、比較的珍しいです。
ただし、ほとんどの場合アレルギーを起こすのは、リンゴ、モモ、ナシで、3~4種類の果物だけで終わることも多いです。
もちろん、持っている花粉症が春のシラカバだけでなく、夏のイネ科や秋のヨモギだと、バラ科じゃない果物・野菜も同時にアレルギーになります。
このため、症状がないのに、①「バラ科」を一律でまとめる、②念のためたべない、は意味がなく、生活が不便になるだけです。
私が最も嫌いなやつです。
バラ科じゃない果物で多いのは、「キウイ、メロン」です。
スイカは、どちらかというと珍しいです。
最近では、5歳以上の子どもたちの間でナッツのアレルギーが増加しています。
4)採血はコツがいる
果物・野菜アレルギーの採血の解釈にはコツが必要です。
つまり、研究結果を知らないと判断が難しいとゆうことです。
「花粉との関係」、「アレルギー症状」、「果物・野菜の数値」、「どの果物・野菜に症状がるのか」、これらすべてを合わせて判断します。
また、採血結果によって判断が難しい場合には、皮膚のテストも併用しないと絶対にわかりません。
果物・野菜アレルギーは採血だけでは、難しい場合も多いのです。
5)治療方法は2つある
①花粉症の治療を行う
世界では、日本だけスギしか保険で認められていません。
が、日本以外の国ではアレルギー起こす成分が薬としてあるので、注射したり内服したりして治療するのが一般的です。
日本にはありませんので、アメリカから薬を輸入する必要があります。
当院では、私がヨーロッパに通って勉強しているので行うことができますが、日本にはない薬なので、日本の保険が効きません。
②ダニの治療を行う
北海道では、ダニアレルギーから花粉症が始まります。
このため、私個人の経験的には、ダニアレルギーの治療を行うと果物・野菜アレルギーも症状が出なくなる方が多い印象です。
しかし、経験的には、成人でも子どもでも、シラカバ花粉症の症状が強すぎる場合(数値が高い場合)には、シラカバアレルギーの治療併用しないと無理だと思っています。
また、舌下治療は量がその子に合わせて変えられないので、採血の数値が高い場合には、症状が取れるのが難しいと感じています。
■アレルギー治療は当院「アルバアレルギークリニック」にお任せを
アルバアレルギークリニックは、「治す」をトコトン目指しているクリニックです。
常に最新の技術がないか国内外の学会を渡り歩き、学術論文とエビデンスに基づいて「どうすればより良く治せるのか」を考え続け、より最適なアプローチ方法を提供し続ける努力をしております。
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自由診療で行っておりますので、ご興味のある方は診察室にて一言お声かけください。
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【参考文献】
福家 辰樹. 日小ア誌 2020;34:602-611.
近藤 康人. 日小ア誌 2022;36:81-85.
佐藤さくら, 他. 日小ア誌 2022;36:14-20
山田 伸治, 他. 日小ア誌 2015;29:685-690.
村上 至孝, 他. 日小ア誌 2020;34:525-529.